入浴支援加算をご存知ですか?

入浴支援加算とは

令和6年度の障がい福祉サービス報酬改定により新設された加算の1つに「入浴支援加算」があります。
医療的ケア児の成人期への移行にも対応した、医療的ケアの体制の充実等を図ることを目的とした取り組みの一つとして設けられました。
医療的ケアが必要な方等への入浴支援に対して評価されます。

対象となるサービス

対象となるサービスは以下になります。
生活介護
児童発達支援
放課後等デイサービス

手続き

加算の算定には、届出が必要で、年度ごとの届出になります。

算定要件と単位数

生活介護において
医療的ケアが必要な者または重症心身障がい者に対して、入浴に係る支援を提供した場合
80単位/日

*届出時には、入浴設備が事業所にあるかどうかを書く欄があります。
事業所に入浴設備がある場合は、その図面等が求められます。
なお、事業所に入浴設備を有していない場合であっても、外部の入浴設備を利用して、当該事業所の職員が入浴支援を行う場合に限り、加算の対象となります。
*入浴支援に当たっては、医療的ケアを必要とする者、重症心身障害者が対象であ ることから、看護職員や、看護職員から助言・指導を受けた職員が実施することが望ましいとされています。

児童発達支援
医療的ケア児または重症心身障がい児に、発達支援とあわせて入浴支援を行った場合
55単位/回(月8回を限度)
放課後等デイサービス
医療的ケア児または重症心身障がい児に、発達支援とあわせて入浴支援を行った場合
70単位/回(月8回を限度)

*届出時には、入浴設備が事業所にあるかどうかを書く欄があります。
事業所にある場合は、その図面等が求められます。
浴室・浴槽・衛生上必要な設備を備え、衛生的な管理を行っていることが要件    となっています。
*入浴に係る安全確保の取り組みを記載した安全計画の提出も求められます。

その他のポイント

対象者とその確認方法については、指定権限のある行政及び支給決定市町村に確認することが大切です。
例えば、堺市においては、令和6年4月より新設された生活介護の入浴支援加算・喀痰吸引等実施加算の対象者について、令和6年7月9日付で、「対象者」と「対象者の確認方法」*について「通知」が出ています。

*対象者の確認方法について(堺市:通知より)
(1)重症心身障害者
すでに交付されている最新の受給者証の生活介護の項目に「重度支援(重心)」の記載がある方については、当該加算対象者であるため、読み替えのうえ、請求をお願いいたします。
また、次回更新時には特記事項欄に「入浴(重心)」と記載された受給者証を発行します。
(2)医療的ケアを必要とする者
別紙医療的ケア判定スコア表の項目に掲げるいずれかの医療行為を必要とする状態である者を対象とします。対象となる方であるかをご確認のうえ、請求をお願いいたします。

〇対象者の個別支援計画書には、「入浴支援」についての文言を入れ、その他の支援も同様ですが、入浴したことの記録を残すことが必要です。
〇入浴に関する費用を請求することはできません。

児童発達支援・③放課後等デイサービスにおいて
(令和6年度障害福祉報酬改定 Q&A より)
浴室面積等の設備について、具体的に○○㎡必要、というような面積等の要件は定められていませんが、入浴支援の対象となる障がい児の身体の状況や特性等に応じて、安全かつ適切な入浴支援の提供が可能な構造や面積等を有する必要があります。
*浴室や浴槽、入浴機器は、事業所において備えることが基本とされていますが、同一法人により運営される隣接する事業所の設備を共用することも可能となっています。ただ、異なる法人の事業所や、同一法人であっても、隣接しない事業所の設備によることは、認められていません。
〇対象となる利用者の状態や特性に応じて、ミスト浴やシャワー浴も認められています。
浴槽を使用しない入浴方法で支援を行う事業所にあっては、浴槽を備えていない場合であっても、当該入浴方法で、安全かつ適切に入浴支援を行うために必要な入浴機器と入浴環境を備えている場合には、本加算の算定ができます。
*清拭は認められません。
*児童発達支援の一環で行われる水遊びや、洗身とはいえない単にシャワーを浴びさせる等は入浴支援には当たりません。
〇②児童発達支援・③放課後等デイサービスにおける「月8回」の考え方について。
これは、一事業所において、利用者一人につき「月8回」を限度としています。
例えば、A事業所とB事業所の2か所の事業所を利用している利用者は、A事業所で8回、B事業所で8回、それぞれ算定することが可能です。
あくまで事業所においての算定上限で、利用者一人についてではなく、合算するしくみではありません。

入浴支援加算は、子どもの発達や成長、成人へと移行していく中で、その発達や日常生活、家族を支える観点から新設された加算です。
本加算により、通所施設において入浴サービスを行う事業所の増加が期待されています。

入浴支援加算について、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。

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